4-2. 自分の性別への違和感

生まれた時の身体の性別と、自分が認識していたり、自分が感じている性別が、同じでないことがあります。心と身体の性自認が異なる、ということです。

これを専門的な言い方では、「解剖学的な性とジェンダー・アイデンティティ(内的な性別の感覚)が異なっている」といいます。

また、自分の身体的な性別と自認する性別に違和感があったり、自分の性別が曖昧に感じられたり、男性でも女性でもないと感じていたりすることを「性別違和(せいべついわ)」といいます。

この違和感がある場合でも、違和感がとても強い人もいれば、そうではない人もいます。
性別違和を感じる人の感じ方はさまざまです。

・身体的な性別や装いなどの外見はそのままでいい人
・身体はそのままで、装いなどで外見を自認する性別のようにしたい人
・ホルモン療法でより身体的外見を自認する性別に近づけたいが、性別適合手術は受けない人
・身体的性別を手術等ですべて自認する性別に一致させたい人
・今は決められない、わからない人

など、ここに書ききれないほど、いろいろな感覚や考え、思いがあります。

性別違和の感覚が強く、自認する性(こころの性)とからだの性が異なる場合、厳格な診断のステップを経て、身体の性を心の性に近づける治療(性同一性障害の身体治療)が行われます。
治療は、当人がどの程度の違和感をもつのか、どうなりたいのかなど充分に検討する必要があるので、性同一性障害の治療の専門家とよく相談することが必要です。

そして、性的違和を感じる人が、どんな相手に性的に魅力を感じるのか、感じないのかの「性的指向」も、さまざまです。
大切なことは、その人が誰を好きか、であり、ステレオタイプに周囲が決めつけることではないということではないでしょうか。

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